2023年の宅建試験を受験し、ギリギリ合格でした。
そんな実力で模試を受けたところ、「市街化調整区域でゴルフコースを許可なく新設できるか?」というような問いがあり、答えは「新設できる」でした。
よく分からなかったので調べました。
結論:無許可で作れる場合はあるらしい
ゴルフコースは面積によらず第二種特定工作物です。
市街化調整区域で区画形質の変更を行う場合、面積によらず開発許可が必要です。
このため、
市街化調整区域で区画形質の変更を行って、第二種特定工作物を作る場合には、開発許可は必要です。
しかし、
市街化調整区域で区画形質の変更を行わず、第二種特定工作物を作る場合には、開発許可は必要ないようです。
過去問のゴルフコース
過去問でゴルフコースについて開発許可の要否を問う問題では、
「区画形質の変更」または「開発行為」を行う条件が付いているようでした。
都市計画法の定義から「開発行為」には「区画形質の変更」を含むようです。
(定義)
第四条
12 この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。
このため、ゴルフコースの面積と、ゴルフコースを作る区域区分の小規模の基準の面積から、開発許可の要否を判断すればよさそうでした。
市街化調整区域では、区画形質の変更を行わなくても許可が必要な場合がある
区画形質の変更を行わなければ、開発許可は不要ですが、別の許可が必要になることがあるようです。
市街化調整区域では都道府県知事の許可が必要な場合があります。
(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)
第四十三条 何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、第二十九条第一項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物を新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して同項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物としてはならない。ただし、次に掲げる建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設については、この限りでない。
一 都市計画事業の施行として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
二 非常災害のため必要な応急措置として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
三 仮設建築物の新築
四 第二十九条第一項第九号に掲げる開発行為その他の政令で定める開発行為が行われた土地の区域内において行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
五 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
下記、上記の「第二十九条第一項第二号若しくは第三号」です
第二十九条
二 市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、農業、林業若しくは漁業の用に供する政令で定める建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行うもの
三 駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所その他これらに類する公益上必要な建築物のうち開発区域及びその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がないものとして政令で定める建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
開発許可を受けていない区域は、「開発許可を受けた開発区域以外の区域内」と表現するようです。
市街化調整区域で区画形質の変更を行う場合は開発許可が必要なので、
市街化調整区域の「開発許可を受けた開発区域以外の区域内」で新築や新設を行う文脈では、区画形質の変更は行わないことが前提になるようです。
第一種特定工作物の新設は制限されています。
第二種特定工作物の新設については言及されていませんので制限はなく、都道府県知事の許可なく新設できるようです。
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