渋滞する高速道路で登坂車線を走行することに問題があるか確認した話

高速道路が渋滞しているときでも、登坂車線は空いていることがあり、登坂車線を走行する車両に追い抜かれることがあります。

登坂車線は路肩ではないので走行することに問題はないと思うのですが、本線同等でもないと思うので、問題ないのか確認しました。

結論:最高速度(時速60km)を守れば問題ないと思われる

登坂車線について

定義

法律的な定義は下記のようです。

(用語の定義)
第二条 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 登坂車線 上り勾配の道路において速度の著しく低下する車両を他の車両から分離して通行させることを目的とする車線をいう。

出典:e-Gov法令検索 道路構造令(昭和四十五年政令第三百二十号)

走行する車両を限定する記載はありませんので、走行を禁止される車両はないと思います。

最高速度

登坂車線は、本線車道ではありませんし、加速車線でも減速車線でもありませんので、最高速度は時速60kmのようです。

(最高速度)
第十一条 法第二十二条第一項の政令で定める最高速度(以下この条、次条及び第二十七条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道(第二十七条の二に規定する本線車道を除く。次条第三項及び第二十七条において同じ。)並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては六十キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては三十キロメートル毎時とする。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法施行令(昭和三十五年政令第二百七十号)

道路交通法において、本線車道が定義され、本線車道と並列で登坂車線が記載されている箇所があるので、登坂車線が本線車道に含まれることはないと思います。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 三の二 本線車道 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。以下同じ。)又は自動車専用道路(道路法第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。以下同じ。)の本線車線により構成する車道をいう。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

(故障等の場合の措置)
第七十五条の十一 自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

追越しについて

登坂車線は一番左側にありますので、右側の本線車道の車両より前に出れば、左から追い越しまたは追い抜きをしたことになると思います。

追い抜きではなく追い越しに該当した場合、違反となり取り締まりを受けるか?ですが、
渋滞中であれば取り締まりを受けないのではないかと思います。(法的根拠はありません

たとえば、左から登坂車線、走行車線、追い越し車線だったとします。
追い越し車線が特に渋滞していた場合、混雑した追い越し車線を避けて走行車線に移り、左から追い越しに該当する運転をしても、取り締まりは受けない認識です。
これは、走行車線と登坂車線の関係でも適用される(適用されない理由はない)と思いますので、追い越し車線と走行車線が渋滞していた場合、混雑した走行車線を避けて登坂車線に移り、左から追い越しに該当する運転をしても、取り締まりは受けないと思われます。
法律に違反するかどうかと、警察が取り締まるかどうかは、一致しないこともあると思うので、走行車線では取り締まらないけど、登坂車線では取り締まるかもしれません。渋滞時に登坂車線で追い越す場合は自己責任で実行してください。

法律的に、渋滞中は左から追い越してよい。という記載は無いようです。

(定義)
第二条

二十一 追越し 車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

追越しの方法)
第二十八条 車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下この節において「前車」という。)の右側を通行しなければならない。
 車両は、他の車両を追い越そうとする場合において、前車が第二十五条第二項又は第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央又は右側端に寄つて通行しているときは、前項の規定にかかわらず、その左側を通行しなければならない。
 車両は、路面電車を追い越そうとするときは、当該車両が追いついた路面電車の左側を通行しなければならない。ただし、軌道が道路の左側端に寄つて設けられているときは、この限りでない。
 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条において「後車」という。)は、反対の方向又は後方からの交通及び前車又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車又は路面電車の速度及び進路並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

(道路外に出る場合の方法)
第二十五条
 車両(軽車両及びトロリーバスを除く。)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄り、かつ、徐行しなければならない。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

(左折又は右折)
第三十四条
 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、一方通行となつている道路において右折するときは、第二項の規定にかかわらず、あらかじめその前からできる限り道路の右側端に寄り、かつ、交差点の中心の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

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