適法に左側から追い抜く検討

高速道路を走行する際、できるだけ左側の車線を走行するようにしています。
ただし、時速100kmを下回りそうな場合は、右車線に移って追い越します。

上記のように走行すると、走行している車線が空いている場合、右側の車線の車両を追い抜くことがあるのですが、適法なのか調べてみました。

追越しについて

定義

道路交通法での「追越し」の定義です。

(定義)
第二条

二十一 追越し 車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

解釈

定義から、前の車両に追い付いてから、車線変更して、追い付いた車両の前に出たら追越しになると思います。

道路交通法における「前方に出る」とは、追い付いた車両の先端よりも、自分の車両の先端の方が前に出ることを指すと考えられます。

理由は、道路交通法には「前方に出る」という記載がほかにもあり、その文脈から、通過する車両の先端よりも、自分の車両の先端の方が前に出ることを指しているためです。

(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条

 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

車線変更して元の車線に戻るかどうかは、追越しには関係ないと思われます。
前方に出て追越しが完了した後のことになるためです。

図示

定義・解釈から追越しに該当するパターンを図示します。
あくまでパターンなので、違反になるものも含みます。

追越しは右側から

例外はありますが、追越しは右側から行わなければいけません。
追越しを左側から行うと違反になります。

(追越しの方法)
第二十八条 車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下この節において「前車」という。)の右側を通行しなければならない。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

追い抜きについて

定義

道路交通法に「追い抜き」は定義されていません。

解釈

前車の前方に出る運転のうち、追越しに当たらない運転を「追い抜き」と呼ばれていると思われます。

一般的には、車線変更しないで、車両の側方を通過して前に出る運転を指すようです。

追越しの定義には「車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えて」とありますので、車線変更したとしても、車両等に追い付く前であれば、追越しになりませんので、追い抜きになると思います。

追い抜きは左側右側の制限なし

「追い抜き」は道路交通法に定義されていませんので、許可する記載も、禁止する記載もありません。

このため、「追い抜き」は右側からでも、左側からでも行えるはずです。

図示

解釈から追い抜きに該当するパターンを図示します。
前車に追い付く前に行った車線変更は省いています。

「キープレフト + 追い抜き」は「左側から追越し」にならない?

左側から追越しができる状況の場合、
前車はキープレフトせず、走行する車線を維持していることになると思います。

この状況で、下記の2つは運転操作に違いはないと思います。

  1. 自車はキープレフトで左車線に車線変更し、その後追い抜きを行う
  2. 左側から追越しを行う

下記ツイートから、1は違反にならないそうです。

1ではなく2であると誤解されないよう、下記を行うことが大事だと思います。
(行えば、絶対に違反にならないかは分かりません)

  • 速やかにキープレフトを行う
  • 不必要に元の車線に戻らない

良い例

速やかにキープレフトを行い、前車を追い越すための車線変更だと認識させない。
前車の前方に出た後もキープレフトし、前車の前に出ることが目的だと認識させない。

悪い例

左車線への車線変更が遅いと、キープレフトではなく、左側からの追越しと認識されかねない。

前車の前方に出た後、不必要に元の車線に戻ってしまうと、前車を追い越すための車線変更と認識されかねない。

キープレフトは下記を参照ください。

(車両通行帯)
第二十条 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)

(三以上の車両通行帯が設けられている場合の通行方法)
第九条 法第二十条第一項ただし書の規定による自動車の通行方法は、法第二十二条第一項の規定により当該道路において定められている自動車の最高速度より著しくおそい速度で通行し、このため他の自動車の通行を妨げることとなる場合を除き、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)の最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行するものとする。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法施行令(昭和三十五年政令第二百七十号)

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