数年に一度、ジャンプスタートで救援したり、バッテリー上がりでロードサービスを呼んでジャンプスタートしてもらうことがあります。
ジャンプスタートを何回か経験していますが、その都度ネットで調べた手順で実施するだけでした。
知人がバッテリー上がりし、ジャンプスタートで復帰するのかと思ったら、
「トラブル車のバッテリー性能が高いので、救援車のバッテリーを吸い尽くしてしまう。」
ということで、バッテリーを交換していました。
ジャンプスタートでは救援車のバッテリーへのダメージが大きい、と聞くこともあるのですが、理由が不明だったので、ジャンプスタートとはどういう仕組みなのかを考えてみました。
通常時
バッテリーの電力でエンジンを始動します。
エンジンが始動すると、エンジンの回転を使ってオルタネーターで発電し、バッテリーの充電や、電装品に電力を供給します。
バッテリーが電源で、エンジンが負荷なので、単純な回路にすると下記になると思います。
自動車の電気回路について、全く不明な方は試しに下記をご覧ください。
バッテリー上がり時
バッテリーの電力不足によりエンジンを始動できません。
エンジンが始動しないため、エンジンの回転がないのでオルタネーターで発電できません。
トラブル車単体で電力不足を解消できないため、外部から電力の供給を受ける必要があります。
エンジンは始動できませんが、バッテリーが電源で、エンジンが負荷なので、単純な回路にすると下記になり通常時と同等だと思います。
ブースターケーブルで接続時
救援車とトラブル車のバッテリーについて、+端子同士と-端子同士をブースターケーブルで電気的に接続します。
回路図にすると、バッテリーが並列で接続され、負荷も並列に接続された、一つの回路になると思います。
接続後の手順でよく見るのは、下記だと思います。
- 救援車のエンジンを始動する
- 救援車のエンジンの回転数を高めに維持する
- トラブル車のエンジンを始動する
手順1では、特に問題なくエンジンは始動すると思います。
救援車が自身のバッテリーを使って、自身のエンジンを始動します。
手順2でエンジンの回転数を高めに維持するのは、オルタネーターでの発電量を大きくするためだと思います。
救援車のバッテリーの電力と、救援車のオルタネーターが発電した電力を足して、救援車が使用する電力を引いた分が、トラブル車が利用できる電力になると思います。
手順3で救援車の余った電力を使って、トラブル車のエンジンを始動するのだと思います。
トラブル車のバッテリーが充電されて、トラブル車のバッテリーでエンジンを始動したわけではないので、トラブル車のバッテリーは上がったままです。
次回自力でエンジンを始動できる以上に、自身のオルタネーターでバッテリーに充電してから、エンジンを停止する必要があります。
救援車からトラブル車に充電されるか
バッテリーメーカーのジャンプスタートの手順を見ると、ブースターケーブルで接続後、数分待つような指示はありません。
おそらく、救援車のバッテリーの電力とオルタネーターの発電の電力で、トラブル車のエンジンを始動することが前提だからだと思います。
救援車の条件は、同等容量のバッテリー搭載車になっています。
数分待つ記載のあるサイトは、救援車のバッテリーとトラブル車のバッテリーに性能差があるせいで、救援車のバッテリーの電力とオルタネーターの発電の電力では、トラブル車のエンジンを始動できない場合を想定しているのかもしれません。
不足分をトラブル車のバッテリーの電力でまかなうために、事前にトラブル車のバッテリーに充電する時間なのかもしれません。
そのような意図であったとして、トラブル車のバッテリーの充電機として救援車が機能するかは、よくわかりませんでした。
バッテリーを充電機で充電する場合、5~12時間かけて充電するそうです。
バッテリー間で電力が移動するとして、バッテリーに性能差があったとしても、一瞬で吸い尽くしてしまうことは無さそうに思います。
ジャンプスタートでバッテリーが大きなダメージを受けるか
バッテリーは放電と充電を繰り返して劣化するそうです。
ジャンプスタートの救援車は、トラブル車のエンジンを始動するために放電しますので、救援車のバッテリーは少なくとも劣化すると思います。
劣化はすると思いますが、救援車自身のエンジンを始動するときの放電とそんなに違いは無いと思います。
搭載するバッテリーの性能が似ていれば、エンジンを始動するのに必要な電力も似ていると思われます。
ジャンプスタートによるダメージが心配な場合には、自車のバッテリーより性能の低いバッテリーを搭載した車両のみ救援するようにしたほうがいいと思われます。
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