Chromecastを内蔵したAndroid TV OS 搭載プロジェクターと、カメラなどの映像出力機器をHDMIケーブルで接続せずに、プロジェクターに映像を表示する方法を考えてみました。
ミラーリングやキャストができないカメラの映像を、ワイヤレスでプロジェクターに表示したいと思ったためです。
手段の検討
HDMIの入力映像をChromecastにミラーリングできる機器があれば一番簡単だと思うのですが、おそらくそのような機器は発売されていないと思うので、どのような方法があるか考えてみました。
- HDMI映像をワイヤレスで送受信できる機器を使う
- HDMI映像をキャプチャしてプロジェクターに出力できる機器を使う
- HDMI映像をキャプチャしてスマホに出力できる機器を使い、スマホでミラーリングする
HDMI映像をワイヤレスで送受信できる機器を使う
いろいろな製品があり、安くて1万円台、高いと10万円を超えるようです。
どの製品でも映像出力機器には送信機を接続し、プロジェクターには受信機を接続する必要があり、送信機も受信機も電源が必要になります。
プロジェクター周りがごちゃごちゃしてワイヤレス感が無いのと、Chromecastが内蔵されていることや、Android TV OS 搭載であることにメリットがないので、今回はワイヤレスで送受信できる製品があることの調査だけにします。
HDMI映像をキャプチャしてプロジェクターに出力できる機器を使う
映像出力機器とHDMIで接続し、HDMIで入力された映像をスマホのアプリを使って確認できる機器(Hollyland MARS X)がありました。
スマホを使って専用アプリの HollyView で確認したところ、映像も音声も視聴することができました。ただ、私が所有する Android デバイスでは映像も音声も途切れてしまい、動画の視聴には使用できないと感じました。デバイスによっては映像は途切れなかったので、ある程度処理能力があるスマホなどが必要になるようです。
本機の映像をプロジェクターに映す方法は2つあると思います。
- プロジェクターにアプリをインストールし、スマホと同じ方法で映像を映す
- スマホにアプリをインストールし、スマホに映した映像をプロジェクターにミラーリングする
プロジェクターにアプリをインストールし、スマホと同じ方法で映像を映す
HollyView は Android TV OS 非対応のようです。Google Play に HollyView は表示されませんでした。
Android OS 用の HollyView を野良アプリとしてインストールしたところ、表示はできましたが、操作はできませんでした。初回起動時にタッチ操作前提のガイダンスが表示されるのですが、ボタン操作ではガイダンスを消すことができず、先に進めませんでした。
Bluetoothマウスを使いガイダンスを終了させたところ、映像も音声も視聴できましたが、映像も音声も途切れてしまいました(Anker nebula capsule II)。動画をスムーズに表示できないので本記事の結論としては「使用できない」とします。静止画やプレゼン資料であれば使用できると思います。
スマホにアプリをインストールし、スマホに映した映像をプロジェクターにミラーリングする
本機とスマホをWi-Fiで接続するとき、本機は必ずアクセスポイントになります。またChromecast(プロジェクター)にミラーリングするとき、Chromecastとスマホは同じネットワークであることが必要です。このため、本機のアクセスポイントにスマホとプロジェクターを接続することになります。本機のアクセスポイントにスマホとプロジェクターを接続してミラーリングできるか確認しましたが、Google Home でChromecastを見つけられず、ミラーリングできませんでした。
本記事の結論としては「使用できない」とします。
HDMI映像をキャプチャしてスマホに出力できる機器を使い、スマホでミラーリングする
HDMIで入力された映像をUVC(USB Video Class)で出力する機器と、USB OTG(USB On-The-Go)に対応したスマホがあれば映像出力機器のHDMI映像をスマホに表示できます。ただ画質は劣化します。
HDMIキャプチャについて
入力であるHDMIの解像度や、出力であるUSBの画質に影響する部分です。
必要な要件に応じて選択してもらうことになると思います。
アマゾンに数千円から売っています。
私は解像度はフルHD、画質は劣化してもよかったので、USBの端子がType-Cであることを条件に、下記を購入しました。
アマゾンには同じ見た目で値段の違うHDMIキャプチャがたくさんあると思います。中国から輸入している事業者が違うだけだと思うので、日本語の取説の同梱、納期などを比べて購入すればいいと思います。
スマホについて
USB OTGに対応している必要があります。対応しているか不明な場合、「USB OTGチェッカーの互換性」というアプリでUSB OTGに対応しているか確認できます。
スマホアプリについて
HDMIキャプチャがUVCに対応していれば、UVC対応の汎用アプリでいいはずです。
無料かどうか、広告の有無、音声出力の有無、などから要件に合うものを見つけてもらうのがいいと思います。
無料で、広告が無く、音声出力があるアプリは見つけられませんでした。
無料で、広告が無く、音声出力が無いアプリとして「USBカメラ スタンダード版」がありました。プロジェクターにミラーリングすると無音になりますので、用途によっては適さないと思います。
無料で、広告があり、音声出力があるアプリとして「USB Camera – Connect EasyCap or USB WebCam」がありました。ミラーリング先から音声は出力されますが、キャプチャー映像に常に広告が重なります。600円のPro版があり、Pro版なら広告は無いと思われます。
実現例
プロジェクターにHDMIを接続せず、映像出力機器のHDMI映像をプロジェクターに表示した接続です。うまく写真を撮れませんでしたが、スマホとプロジェクターに同じHDMIの映像が表示されています。
各機器が行っているのは下記です。
- 映像出力機器(Chromecast with Google TV)
- HDMIで映像を出力
- HDMIキャプチャ
- HDMIの入力映像をUVCで出力
- スマホ
- UVCの入力映像をアプリ「USB Camera – Connect EasyCap or USB WebCam」でスマホの画面に表示。
- スマホの画面表示をChromecastを内蔵したプロジェクターにミラーリング
- プロジェクター(Anker nebula capsule II)
- ミラーリングされた映像をプロジェクターで表示
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