温泉の硫黄臭を取る検討

知人が酸ヶ湯に行ったところ、温泉の硫黄臭が服について取れないとのことでした。

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硫黄臭といっているのは、「卵が腐ったような臭い」と言われる臭いのことで、硫化水素の臭いのようです。

臭いがするということは、臭いを感じる粒子が鼻に入った、ということだと思います。
その粒子は、臭いのする服の繊維に入り込んでいる、ということだと思います。

臭いを取るには、繊維の中から粒子を取り出す必要があり、
分解する、溶かす、洗い流す、叩き出すなどがあると思われます。

ネットで調べると予想と異なる取り方が記載されたサイトが多かったので、
洗濯と呼べる範囲で何がよさそうか調べてみました。

中和するなら

硫化水素の化学式はH2Sで、水に溶けるとH+が発生する酸性(弱酸)のようです。

H2S ⇄ H+ + HS
HS ⇄ H+ + S2-

硫化水素の溶解と酸塩基平衡 : 滴定曲線、溶解度などーエクセルを用いて
硫化水素は水に溶けて硫化物イオン(S2-)を生成し、S2-は多くの金属イオンと反応して硫化物沈殿を生成します。この硫化水素に関して、水への溶解と酸塩基平衡について説明します。 硫化水素は2価の弱酸で、水中で次のように電離します。H2S ⇆ H+ + HS-          

中和するなら、アルカリ性のもので洗濯することになると思います。

消臭、漂白できる酸素系漂白剤のオキシクリーンはアルカリ性だそうです。

酸素系漂白剤の主な成分は過炭酸ナトリウムのようです。
過炭酸ナトリウムは、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)と過酸化水素が 2:3 の割合で混在してできたものだそうです。

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)とは
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)の化学的な性質や特徴、主な用途、使用上の注意などをご紹介します。

炭酸ナトリウムは、水に溶けるとOHが発生するアルカリ性のようです。

Na2CO3 → 2Na+ + CO32-
CO32- + H2O ⇄ HCO3 + OH
HCO3 + H2O ⇄ H2CO3 + OH

炭酸ナトリウムはなぜアルカリ性を示すのか?反応式を使って、わかりやすく解説
本記事は炭酸ナトリウムがなぜアルカリ性を示すのかについて書かれた記事です。本記事を理解すると、炭酸ナトリウムがアルカリ性を示すことについて、理論的に答えられるようになります。また、炭酸ナトリウムの性質に関する理解が深まります。

硫黄臭がする服をオキシ漬けすると、
硫化水素と炭酸ナトリウムが反応することになり、下記のようになると思います。

H2S + Na2CO3 + 2H2O → H2CO3 + 2H2O + S2- + 2Na+

臭いが取れないといっても、硫化水素がグラム単位で服に入り込んでいるわけではないと思いますので、
硫化物イオンは、硫化ナトリウムとして沈殿するほどの量は無く、溶けたままだと思われます。

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洗剤メーカーでもある花王も「酸素系の衣料用漂白剤」を勧めていますので、クエン酸や重曹よりも臭いを取れる可能性は高いと思います。

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