防犯カメラを取り付ける検討(電気工事士の資格なし)

防犯カメラを購入しました。
Amaryllo社のAR3Sです。海外メーカーのため販売代理店がありましたが、撤退してしまったので市中在庫のみの製品になります。詳細については需要がないと思いますので省きます。
サポートは期待できませんが、自宅以外の場所で使用していて使い方が分かっているので、自宅用に購入しました。

防犯カメラの設置は、電気工事士の資格が必要なイメージがありますが、どの作業に資格が必要か理解していないため調べてみました。

防犯カメラについて

購入した防犯カメラは、ACアダプターをコンセントに挿し、ACアダプターと防犯カメラ本体を接続するタイプのものでした。

一般的な家電と同等だと思いますので、防犯カメラを動作させるだけなら資格は必要ないと思います。

設置場所について

防犯カメラ本体は屋外に設置します。
コンセントは屋外コンセントを使用します。
防犯カメラ本体も屋外コンセントも、同じ屋根の下ですが雨があたることがありますし、日光も当たります。
コンセントから防犯カメラまでは3mくらいあり、ACアダプターのコードでは長さが足りません。

電気工事士の資格が必要な作業

経済産業省の資料から下記1~12の作業は、 電気工事士の資格が必要でした。

経済産業省の資料より

用語の確認

電気工事士の資格が必要な作業について、特に「電線」の定義が分からなかったので確認しました。

下記資料で確認しました。2021年11月5日現在の最新だと思います。

電気設備の技術基準の解釈

電気設備の技術基準の解釈の解説

電線

弱電流電気以外の強電流電気の伝送に使用するもの」だそうです。

上記のうち「弱電流電気」は下記のいずれかを満たすもののようです。

① インターホン、拡声器等の音声の伝送回路
② 高周波又はパルスによる信号の伝送回路
③ 最大使用電圧が10V以下で使用電流が5Aを超えない電気回路
④ 短絡電流が1mA程度以下の電気回路
⑤ 電圧の最大値が60V以下の直流電気回路で第181条に規定する小勢力回路に準じたもの
⑥ 電力保安通信線であって、最大使用電圧が110V以下で短絡電流が100mA以下の電気回路

上記のうち、「第181条に規定する小勢力回路」は下記の全てを満たすもののようです。

①最大使用電圧が60V以下
②電源用変圧器の1次側電路の対地電圧が300V以下
③最大使用電流及び短絡電流(その回路の電源側に施設された過電流遮断器の定格電流)が最大使用電圧に応じて、解説181.1表の値以下

以上を防犯カメラの設置に使用しそうなものに当てはめてみます。

  • コンセントに挿す延長コードは「 最大使用電圧が100Vで、伝送回路でも、電力保安通信線でもない 」ので弱電流電気に該当せず、伝送するのは弱電流電気以外となるので、電線に該当すると思います。
  • ACアダプターのコードは、アダプターの最大使用電圧、使用電流、短絡電流の仕様により、小勢力回路かどうかが決まり、
    小勢力回路であれば伝送するのは弱電流電気となり電線に該当せず、
    小勢力回路でなければ伝送するのは弱電流回路以外となり電線に該当すると思います。

    今回使用するACアダプターの出力は12V2Aだったので短絡電流で小勢力回路かどうかが決まりそうです。
    型番KSASB0241200200D5をネットで検索すると仕様書が見つかりました。仕様書内をshortで検索すると、下記の記載があったので、短絡時は出力が止まると思われ、短絡電流は0Aとなり、小勢力回路なので、ACアダプターのコードは電線に該当しないと思われます。

The adapter shall not be damaged by short the DC output to Ground. The adapter shall resume normal operation when a short circuited fault condition is removed.

ACアダプター仕様書より

電線管

電線管には、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管があり、
合成樹脂管には、CD管、合成樹脂製可とう管(PF管)、その他の合成樹脂製電線管があるようです。

YouTubeの防犯カメラ取付動画に出てくる蛇腹状の管は 合成樹脂製可とう管(PF管)のようです。

防犯カメラ設置手順別の資格の要否

YouTubeの防犯カメラ取付動画でよく見る設置手順で資格が必要かどうかを検討します。

下記の手順とは順番が異なりますが、分かりやすいと思う動画です。

  1. 防犯カメラ本体を固定する
  2. 防犯カメラ本体の近くにボックスを設置する
  3. ボックスと屋外コンセントをPF管で繋ぎ固定する
  4. PF管に電線を通す
  5. ボックス内で電線とACアダプターと防犯カメラ本体を接続する

手順1に資格は必要ないと思います。

手順2はボックスが金属製でなければ(樹脂製であれば)資格は必要ないと思います。

手順3は電線管とボックスを接続するので資格が必要だと思います。
PF管を固定することに資格は必要ないと思います。
電線管を曲げるのであれば資格が必要だと思います。(可とう電線管を曲げることに資格が必要かどうかは分かりませんでした)

手順4は電線管に電線を収めるので資格が必要だと思います。

手順5はボックス内の作業に資格は必要ないと思います。

以上より、電線管を使用し、下記いずれかをおこなうなら電気工事士の資格が必要になりそうです。
・電線管をボックスと接続する
・電線管に電線を通す

電線管を使用しなければ、電気工事士の資格は必要なさそうです。
ただし、電線の取り付けは電気工事士の資格が必要ない方法にする必要がありそうです。(「電線を直接造営材その他の物件に取り付け」に該当しない方法)

電線管を使用しても、下記いずれも満たせば電気工事士の資格は必要なさそうです。
・電線管をボックスと接続しない
・電線管に通すのは、非電線(ACアダプターの延長コードなど)

電気工事士の資格が必要ない作業だけで防犯カメラを取り付けることはできそうですが、安全な設置方法と言えるのかわかりませんし、適切なものを選定する知識がありませんので、電気工事士の資格のある方に任せるのがよいと思いました。

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