築50年くらいの母屋にある無線LANルーターから、中継機を使って離れでもWi-Fiを使えるようにしました。
中継する距離がそれなりにあること、古い日本家屋でコンセントが少なく中継機を設置できる場所が限られることなど課題がありました。解決したことなどを記事にします。
中継する間取り
無線LANルーターから、中継したい場所までの間取りです。
Aに無線LANルーターがあります。
Zの位置で、タブレットでYouTubeを安定して再生することが目標です。
AからZまでの直線距離は25mくらいです。
Wi-Fi環境の構築条件
母屋のWi-Fi環境で困っていることはなかったので、中継機を購入すれば解決できる条件にしました。
- 電気工事(コンセントの増設、有線LANの配線、光配線の移動など)はおこなわない
- 無線LANルーターは、以前から使っていたWXR-1750DHP(Buffalo製)から変更しない
- 中継する機器は、Buffaloの製品を使用する。相性問題を考慮不要にしたいため
構築したWi-Fi環境
中継機WEX-1166DHPSをB、C、Dの3か所に設置し、3台を直列で中継しました。
WEX-1166DHPSの直列で中継できる台数は、仕様上は2台までです。
直列で3台中継することについて、Buffaloのサポートは受けられないと思います。
中継機2台で解決できないか
無線で中継する場合、中継される側が送受信できる距離と、中継する側が送受信できる距離のうち、短いほうの距離に配置しないと中継できません。
無線LANルーター(WXR-1750DHP)が送受信できる距離(赤の円)に比べ、中継機(WEX-1166DHPS)が送受信できる距離(青の円)のほうが短く、中継機1台では通信できる距離はあまり広がりませんでした。また中継機はコンセントに直挿しにしたいため、中継できる範囲でコンセントのある位置に中継機を配置すると中継機2台目の位置はCになりました。Cの位置からのZの部屋までは障害が多く、通信速度が遅くなってしまいました。
確認できていませんが、WEX-1166DHP2であればアンテナがある分、送受信できる距離が長く、BとDの位置でも通信でき、中継機2台でWi-Fi環境を構築できたかもしれせん。
WXR-1750DHPであれば、BとDの位置でも通信できましたが、WXR-1750DHPを直列で2台接続して中継することはできませんでした。
中継機3台目の接続方法
中継機2台目を接続した方法と同じです。中継機2台目の接続は、中継機1台目を使って接続したと思います。中継機3台目の接続は、中継機2台目を使って同じことをすれば接続できます。
中継機を3台使用した場合の問題点
中継機を再起動するなど接続が一度切れると、中継順序が不正になり、通信できなくなることがあります。中継機のSSIDが中継される側と同一の場合に発生することがあります。スマホアプリ「StationRadar」などで設定を変更しても中継機は再起動しますので、注意が必要です。
正常に中継できている場合の図です。中継する機器から中継される機器に矢印を引いています。
Bの位置の中継機の電源をオフした場合の図です。Cの位置の中継機がDの位置の中継機に接続してしまうことがあります。この状態になると、Bの位置の中継機の電源をオンにしても自動的に正常に戻らないようです。正常に戻すためには、全ての中継機の電源をオフにしたあと、無線LANルーターに近い方から順番に接続する必要があります。
この現象は中継機が2台でも発生することがあり、バッファローのホームページに載っています。
この現象は中継機が接続対象とするSSIDのアクセスポイントが複数あり、中継機が接続すべきアクセスポイントを特定できないため発生します。なので、中継機が接続対象とするSSIDのアクセスポイントを1つにすれば通信できなくなることはないと思います。ただ、各中継機のSSIDが異なってしまうので、各中継機で認証を行う必要があり、使い勝手も悪くなると思います。
無線LANルーター | 中継機1 | 中継機2 | 中継機3 | |
出力するSSID(2.4GHz) | SSID-G-0 | SSID-G-1 | SSID-G-2 | SSID-G-3 |
出力するSSID(5GHz) | SSID-A-0 | SSID-A-1 | SSID-A-2 | SSID-A-3 |
中継するSSID(2.4GHz) | — | SSID-G-0 | SSID-G-1 | SSID-G-2 |
中継するSSID(5GHz) | — | SSID-A-0 | SSID-A-1 | SSID-A-2 |
我が家の場合、中継機1と中継機3の間で電波は届かないので、中継機3の出力するSSIDは無線LANルーターの出力するSSIDに合わせた方が使い勝手がいいと思います。設定には手間がかかるので、実施はしておらず未確認です。
無線LANルーター | 中継機1 | 中継機2 | 中継機3 | |
出力するSSID(2.4GHz) | SSID-G-0 | SSID-G-1 | SSID-G-2 | SSID-G-0 |
出力するSSID(5GHz) | SSID-A-0 | SSID-A-1 | SSID-A-2 | SSID-A-0 |
中継するSSID(2.4GHz) | — | SSID-G-0 | SSID-G-1 | SSID-G-2 |
中継するSSID(5GHz) | — | SSID-A-0 | SSID-A-1 | SSID-A-2 |
中継する速度の改善
中継機を購入したまま設定を変更しないで中継すると通信速度が落ちてしまうので改善します。
中継する周波数を2.4GHzと5GHzで交互にする
バッファローのホームページにありますが、同じ周波数帯で接続するとスピードが半減してしまいます。中継される側に5GHzで接続したい場合、中継機のAUTO/5GHzのスイッチを5GHzにしてください。中継される側に2.4GHzで接続したい場合、中継機のAUTO/5GHzのスイッチをAUTOにすれば2.4GHzで接続されると思います(中継機のソフトウェア的な設定に従います。初期値は2.4GHz優先)。
我が家の場合、BとCの間に外壁が存在するので、Cの位置の中継機2は通過しやすい2,4GHzで中継機1に接続することとしました。このため、中継機1と中継機3は5GHzで接続します。また、中継に使用しないSSIDの出力は止めました。
無線LANルーター | 中継機1 | 中継機2 | 中継機3 | |
出力するSSID(2.4GHz) | SSID-G-0 | SSID-G-0 | — | SSID-G-0 |
出力するSSID(5GHz) | SSID-A-0 | — | SSID-A-0 | SSID-A-0 |
中継するSSID(2.4GHz) | — | — | SSID-G-0 | — |
中継するSSID(5GHz) | — | SSID-A-0 | — | SSID-A-0 |
2.4GHzの通信速度を上げる
WEX-1166DHPSの2.4GHzの最大速度は300Mbpsですが、初期値は144Mbpsになっています。互換性を考慮していると思いますが、今回はBuffalo製の中継機としか通信しないため、互換性を考慮する必要が無く、300Mbpsに変更して問題ないと思います。周囲の電波状況などで遅くなった場合は144Mbpsに戻してください。設定変更はスマホアプリ「StationRadar」などで行うことができ、「帯域」や「倍速モード」の項目が該当します。
中継機を使ったときに発生するかもしれない問題
スマホなど移動するクライアントでDHCPサーバーからIPアドレスを自動取得できないことがありました。中継機が1台でも発生するのか、中継機が3台だから発生するのかはわかりません。問題が発生しないよう、中継機に接続するクライアントのIPアドレスは固定するようにしました。
バッファローのホームページにも載っています。ただ、この説明だと中継機に接続する全てのクライアントでIPアドレスを自動取得できないことになりそうですが、私の場合、IPアドレスを自動取得できるクライアントと自動取得できないクライアントがあったので、クライアントのIPアドレスの取得の仕方に問題がありそうです。
WEX-1166DHPSについて推測
おそらくWEX-1166DHPSはアクセスポイントを内蔵したイーサネットコンバーターです。
このため、中継される側からすると、中継機はスマホなどと同等なクライアントの1台でしかありません。
中継機側からすると、中継される側のSSIDを見て接続しているだけで、自身が何台目の中継機であるかを考慮していません。
なので直列、並列について台数制限はありませんが、一度接続が途切れると、中継機がどこに接続し直すかを制御できずサポート困難なため、仕様上は直列は2台まで、並列は不可、としているのだと思います。
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