モグラ 例外的に捕獲できるのは「捕獲」だけ?

モグラについて調べていました。

野生のモグラは、哺乳類なので鳥獣保護管理法で保護されているようです。
ただ、農林水産省の資料に「農業または林業の事業活動に伴いやむを得ず行われるネズミ類、モグラ類の捕獲は、捕獲許可を要しない」とあったので許可なく捕獲できる場合はあるようです。

文章だけ読むと、捕獲しか許されていないように読めるので、捕獲後、別の場所に移すなどを行う必要があるのか調べてみました。

「農業または林業の事業活動に伴い」を前提にした内容です。

家庭菜園や、庭木は「農業または林業の事業活動」に該当しないと思いますので、
被害があったとしても捕獲の対象外だと思います。

結論:捕獲していい場合は、殺傷してもいい

鳥獣保護管理法で「捕獲」とだけ書かれていることは稀で、
ほとんどの場合「捕獲等」と書かれています。
「捕獲等」の定義は「捕獲または殺傷」になるようです。

(定義等)
第二条 この法律において「鳥獣」とは、鳥類又は乳類に属する野生動物をいう。

 この法律において「狩猟鳥獣」とは、希少鳥獣以外の鳥獣であって、その肉又は毛皮を利用する目的、管理をする目的その他の目的で捕獲等捕獲又は殺傷をいう。以下同じ。)の対象となる鳥獣(鳥類のひなを除く。)であって、その捕獲等がその生息の状況に著しく影響を及ぼすおそれのないものとして環境省令で定めるものをいう。

出典:e-Gov法令検索 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号

このため、前述の農林水産省の資料の根拠となる法律に「捕獲等」と記載されていれば、殺傷も許されるはずです。

鳥獣保護管理法で根拠となる部分は下記のようです。

環境省令で定める鳥獣の捕獲等)
第十三条 農業又は林業の事業活動に伴い捕獲等又は採取等をすることがやむを得ない鳥獣若しくは鳥類の卵であって環境省令で定めるものは、第九条第一項の規定にかかわらず、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けないで、環境省令で定めるところにより、捕獲等又は採取等をすることができる。

出典:e-Gov法令検索 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)

上記の環境省令とは下記のようです。

(農業又は林業の事業活動に伴い捕獲等又は採取等をすることがやむを得ない鳥獣又は鳥類の卵)
第十二条 法第十三条第一項の環境省令で定める鳥獣又は鳥類の卵は、次の表に掲げる鳥獣とする。

科名種名
動物界
哺乳綱
(一) もぐら目
もぐら科もぐら科全種
(二) ねずみ目
ねずみ科ねずみ科全種(Rattus norvegicus(ドブネズミ)、Rattus rattus(クマネズミ)及びMus musculus(ハツカネズミ)を除く。)
備考
括弧内に記載する呼称は、学名に相当する和名である。

(農業又は林業の事業活動に伴い捕獲等又は採取等をすることがやむを得ない鳥獣の捕獲等)
第十三条 法第十三条第一項の規定により環境大臣又は都道府県知事の許可を要しない捕獲等又は採取等は、農業又は林業の事業活動に伴いやむを得ずする捕獲等又は採取等とする。

出典:e-Gov法令検索 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成十四年環境省令第二十八号)

いずれも「捕獲」ではなく「捕獲等」と記載されていますので、許可なく「捕獲」または「殺傷」できるようです。

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